ロスト・ジュライ
2004年8月頭の新作フォントが出揃っていない隙に、7月の残りをまとめてみた。
■Holland Fontsにて、『Frisco_Remix』に続くコラボレーション大作第2弾『Dutch Doubles』が登場
AIGA(米国グラフィックスアート協会)のシンポジウムのために企画・製作されたフォント。今回はオランダのデザイナー37名が参加、前作同様に個性を爆発させている
■COM4tにて、フリーのスクリプトフォント『Quilline Script Thin』が登場
某ホテル用に作られたということで、フォーマルな用途にも使えそうなデザイン。相変わらず(フリーの)筆記体フォントが渇望されている現状に、どう影響するのか
■TTCメーカーの登場により、idfontの作品が続々とTTC(TrueType Collection)へ移行中
■typoGeneratorで、お手軽にタイポグラフィ風画像生成
7月上旬に登場したユニークなサイトで、既に多くのブログでも取り上げられている。入力した文字と、その文字列でイメージ検索した画像が素材として使用されるのが特徴。さらに加工が入るため、判別不能なこともある
Kingthings Spike(Kingthings)
フォント名にもある通り、作者のトゲトゲ好きがエスカレートした感じのデザイン。Old Englishへの挑戦?
Dinotiqua/FarmFont/MesoFaunaBats他(Manfred Klein @ typOasis)
『Dinotiqua』は恐竜をあしらったdingfont
クーバーブラック(OFG H&D)
有名製品フォント『CooperBlack』に合わせたデザイン、がコンセプトのカナフォント
Sunny Days/Howling/Scary他(House of Lime)※リンクorドネーションウェア
『Howling』『Scary』はハロウィン向けdingbat
夢見る7月フォント
世間一般における夏のバーゲンは、ほぼ終わってしまった。が、オンラインフォントのバーゲンならまだ間に合う。
エイプリルフールイベントから早3か月、CHANK FONTSが今度は堂々とディスカウントセールを行っているのだ。そして、その値引率が半端ではない。あの$4.01ショックを凌ぐ、$0.99の商品まで登場している。
個人的にお得だと思うのは、『Sister Frisky』が$0.99、『Mingler Family』が4スタイルのセットで$4.95、日本でも人気のあるBlue Vinyl Fontsの作品『Bric A Brac BV』が$4.95……といった辺りだろうか。CHANKの代表作の一つ『Buckethead Family』が、3スタイルで$12.95というのも安い。
どうやら週替わりで変化があるようなので*1、微妙な値段のものはとりあえず見送っておいた。まるで、スーパーで特売品だけかっさらっていくような嫌な客だが、この安さはそれだけの魅力がある。
ところで今回のセールを知ったきっかけは、自宅にCHANKからの暑中見舞いはがき(絵柄は現在のトップページ画像)が届いたことによる。このご時世に電子ではなく紙媒体で、しかも海外にまで送ってくれるとはなかなか粋だ。
Gainborough(Harold's Fonts)
WebLetterer BB/〜 Bold(BLAMBOT Comic Fonts)
Quadratic BRK/Slender BRK/Gather BRK(ANIGMA GAMES & FONTS)
Fingerprints/Thirteen/Sugaree他(dincTYPE)
AdamGorry-Inline/AdamGorry-Lights(James Arboghast)※OpenTypeのみ
GFY ErinBurkett/GFY Otep(CHANK FONTS)
2人の女性シンガーによる手書き文字をフォント化。『GFY Otep』の作者は、ヘヴィロックバンドOtepのヴォーカル
AK-Piyoko(あくび印)
酉年である来年の年賀用を想定した、キュートなヒヨコのdingfont
Tekuteku-AL(Maniackers Design)/Century-solid(C-FONT)
■期間限定配布
7月4日向けの、いわゆるStars and Stripes=星条旗柄のdingfont
Hudson-Regular(SoftMaker)※リンクウェア
Always Joking(Cumberland)
*1:【価格変動履歴】
『Sister Frisky』$0.99→$3.99→$12.50/『Mingler Family』$4.95→$7.99→$7.50/『Bric A Brac BV』$4.95→$2.99→$1.50/『Buckethead Family』$12.95→$9.99→$7.50
ふたつでじゅうぶんですよ
いい加減切なくなってきたので、過去日記のカウントはやめることにする。
さて7月の初め──先月の『Magic School』に続いてもう一つ、プロのデザイナーによる映画フォントが登場した。ただし旬の作品ではなく、未だマニア人気の衰えないSF映画、ブレードランナーに関するフォントである。
『BD Spinner』はその名の通り、作品中で警察のスピナー≒空飛ぶ自動車に使われている、ビットマップ風のロゴをフォント化したもの。作者BURO DESTRUCTのサイト【TYPEDIFFERENT.COM】では同時に有料フォント『BD Deckard』なども登場しており、ブレラン好きのメンバーが手がけたものと思われる(Deckardは主人公の名前)。
なおブレランフォントとしては、これまでPhil Steinschneider氏の作品がよく紹介されていた。こちらではスピナーロゴの他にタイトルロゴのフォント『Blade Runner Movie Font』も作られており、現在はバージョン3.01となっている。
はりぽたハーリー
今月下旬に最新作が公開となる、ハリー・ポッター劇場版。それに先駆けてというべきか、FontMesaから劇場版のタイトルロゴ風フォント『Magic School』が登場した。
■OneとTwoの2スタイル
■記号や特殊文字も収録
■おまけで杖を持った手のdingbatを収録
(袖がホグワーツの制服風)
……と、フリーフォントながらかなり凝ったものとなっている。ハリポタフォントについては過去にも取り上げているが、それらを脅かす完成度であることは間違いないだろう。
Saunder(ANIGMA GAMES & FONTS)
3月より活動停止中だったサイトに動きがあった。今後は月ペースでの新作追加を予定
Starry/Treason/Upsmack他(dincTYPE)
予想に反し、短期間で復活。配布フォントは十数作に絞られたが、デザインの傾向は改装前とそう変わっていないのが残念
Harold's Pips(Harold's Fonts)
サクランボ・鳥・錨など様々なもののシルエットを収録したdingbat。ザ・シンプソンズの中で登場したカードが元ネタになっているとのこと。現在Win版はファイル破損?
Oh Crud BB(BLAMBOT Comic Fonts)/Cream ExtraBold(C-FONT)
Makestencil(OFG H&D)/NiseMajorLeague(ACT SELECT)
■期間限定配布
作者がファンタジックな地図をデザインする際に使用しているという、山のdingbat
Congress(SoftMaker)※リンクウェア
PC Bubble Bath(pcCrafter)※インストーラ形式・要メアド登録
Zono Art Productions
http://www.demolitionkitchen.com/zono/index2.html
Homeboy(11-D productions)
グラフィティフォント最新作
Hardkaze(PizzaDude!)/CafeNoir(CHANK FONTS)
BartonBus/KingBus/Floraless(Gaut Fonts @ typOasis)
FFF_Discotheque(Fonts For Flash)
※フリーフォントはFREEBIES参照・要登録・リンクウェア
過去日記IV 朱紅い雫
2004年5月下旬に、Zono Art Productionsのオリジナルフォント配布が再開された。
トップページから【ZONO FUNFONTS】へ進み、規約に同意すればDLページへ進める。数は多くないがコミック系フォントやユニークなオリジナルdingbatがあり、最下段では一括入手も可能。