ギャラリーフェイク

フリーフォント収集について回る問題の一つに、そのデザインがオリジナルかどうかの見定めがある。既存のフォント(特に製品)のコピーライト部分だけを改変したり、本体に少々変形を加えたものをオリジナルと称して配布する例は珍しくないからだ。
この問題は、何もフリーフォントに限ったことではない。有料・製品フォントの世界でも、やれどこそこのメーカーが無許可でデザインを使っただの、○○フォントは□□フォントの盗作だのといった論争がたびたび持ち上がる。しかし対象が大手メーカーでもない限り、大事に発展することはあまりない。フォントに用いられるタイプフェイスデザインが、著作権的に軽んじて見られる傾向にあるためだろう。
実は先日の、Snapfonts閉鎖にもこの件が絡んでいる。現在のLatest linksにもリンクがあるが、とあるフォーラムで『Snapfonts販売フォントのいくつかが盗作である』との指摘と論争が起こったのだ。部外者には真相は判断しかねるが……結果としてSnapfontsは閉ざされ、同作者のフリーフォントサイトであるdincTYPEだけがオンライン上に残った。
上記について、自分としては特に擁護も非難もする気はない。ただオリジナルと認識されているdincTYPEのフォントまでも、この先存在が危うくなりはしないかと心配している(実際ちょうど論争が佳境に入った時期に、dincTYPEの近作が何点かデザイン変更されていた)。

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暗いニュースはこれぐらいにして、あとは新たなスクリプトフォントの情報を追加しておく。
よりぬきスクリプト(筆記体)フォント・その2
styroscript(phantompower
現在はCape-Arconaに活動拠点を移しているサイト。
他にステンシルフォント(木箱に押してあるような、切り抜き風)の『product』などがある。
BlackJackTypadelic Fonts
基本は有料フォントサイトだが、フリーで配布されている手書き風スクリプトBlackJack』や蝶のdingbat『Butterflies』はいい感じだ。
Eminenz他(anke-art
anke-artは割と古くからあるサイトだが、近年配布フォントがドネーションウェア(=寄付歓迎)化された。
『Eminenz』は丁寧に手書きした感じの、『Scribble』は走り書きした感じのスクリプトフォント。
他にハートや星をあしらったフォントも置かれている。