あんなにいい書だったのに

INDIE FONTS―世界の最先端タイプフェイス、2,000書体 INDIE FONTS〈2〉進化する、新感覚フォント・コレクション
まだ店頭で現物を確認していないのだが、【INDIE FONTS】の日本語版が2冊同時に発売されたようだ。
この2冊については原書を持っており、日本から(安く)入手するにはそれなりの苦労があった。その顛末を過去日記に入れるつもりで、まとめつつあったのだが……アップ前に国内発売されてしまい、結構なショックを受けている。
どういう書籍かというと、海外にある中小のフォントメーカーをピックアップし、それぞれが制作・販売しているフォントの見本をたっぷりと載せているカタログである。日本発の書籍では、MdNの【デザイナーズ・フォントカタログ692】が印象として近いだろうか。
同時発売だと2冊の違いはわかりづらいかもしれないが、原書の2は1(2002年刊行)の約1年後に登場している。要するに比較的古参かつ定番をおさえた1が好評だったために、より新しめのところを中心に集めた2が生まれたという訳だ。
かつて日本では、海外のデザイナーズフォントといっても御三家Emigre・GarageFonts・T26クラスの情報が中心で、それ以外の紹介記事はデザイン雑誌で軽く組まれる程度にしか見かけなかった。一般人には海外のフォントデザイナーというと、むしろフリーフォントの作者の方が知られているかもしれないような状況。上にはショックだと書いたものの、INDIE FONTSのような書籍が日本で普通に入手できる世の中になったということは、フォント流通?的にはかなりの進歩だと感じる。
ちなみに、付属しているボーナスフォントにはオンラインで無料配布されているものも多く、残念ながら旨味は少ない。しかしフォントジャンキーにとっては眺めているだけでゴハン3杯はいける内容、2冊とも重版になるまで売れていただきたいものだ。


定番フォントサイト・2005年1月末の新作
FFF Spacedust(Fonts For Flash
※要登録・リンクウェア・商用利用の場合は有料
ZeitGeisterbahn他(Manfred Klein @ typOasis
『ZeitGeisterbahn』はカールの入った手書き風フォント
THE BIRDS(Harold's Fonts
ヒッチコックの映画・鳥のオープニングのイメージをフォント化したもの
Ukulele(UKULELE MEOWTH)※商用利用は不可
おそらく世界初と思われる、ウクレレのシルエットを集めたdingbat。楽器には詳しくないが、見比べるだけでも楽しい
Sorbet(iAi-jp
(近作はそうでもないが)和風フォントといえば、このサイト。サイトデザインも和の雰囲気たっぷり
DogEatDog/45他(dincTYPE)※不定期で配布終了